昨日2021年3月3日に、シンガポールで暮らす日本人にとって衝撃のニュースが発表されました。
今回の変更概要、駐妻は働けなくなるのか、そして筆者の思うところをまとめました。
DPビザで働けなくなるシンガポール
話題となった記事がこちらです。
中をちょっと見てみますね。
From May 1, DP holders will have to apply for an applicable work pass such as an Employment Pass, S Pass or work permit rather than the letter of consent that they currently use.
引用:上記リンク
「5月1日以降、Dependent Passビザ(帯同者ビザ)で働きたいひとはLetter of consent(通称、LOC)を以て働くのではなく、Employment Passビザ(通称、EP)、S Passビザ、またはワークパーミットビザを申請しなければならない。」
初めて見た人は、LOCって何か?と思いますよね。LOCとは、DP保有者でも働いてOKですよとDPの雇い主の会社に手配してもらうレターのようなもの。
これを取得すればこれまではDP保有者でも働けたのです。
Those working on a letter of consent will be allowed to continue working until its expiry. After that, employers will need to apply for a work pass.
引用:上記リンク
「LOCで働けるのは有効期限までで、その後はワークパス(EP、S Pass、ワークパーミットビザ)を取得する必要がある。」
ちなみに、DPビザホルダーでもLOCで働ける場合もあります。それは、シンガポール人を雇って自営業をしている立場の人。気になる人は記事原文を読んでみてくださいね。
シンガポール駐妻は働けなくなるのか→就労ビザをとれば可能、しかし就労ビザ取得の条件がある
さて、シンガポール駐妻は働けなくなるのでしょうか。
そんなことはありません。記事によると、就労ビザをとれば可能です。しかし、シンガポールの就労ビザはある程度の要件があります。
MOM(シンガポール政府労働省)のサイトによると、以下の条件を満たせば就労ビザ(EP)が取れます。
・Have a job offer in Singapore.
・Work in a managerial, executive or specialized job.
・Earn a fixed monthly salary of at least $4,500 (older, more experienced candidates need higher salaries).
・Have acceptable qualifications, usually a good university degree, professional qualifications or specialised skills.
・Application for an Employment Pass is open to all nationalities.
つまり、
- シンガポールで内定がある人
- 管理職・エクゼクティブ・専門性のある職種で働く人
- 月給最低4,500ドル(36万円くらい)の稼ぎがある人 (ただし、年齢や学歴によってこの最低ラインは上がる)
- 大卒資格、専門性のある資格、専門的なスキルを持っている人
- EPは国籍に限らず申請できる
ちなみに、エクゼクティブって日本でいうと役員クラスの偉い人ってイメージだけれどシンガポールでは管理職じゃない普通の人をエクゼクティブって呼ぶニャ。エクゼクティブには、「専門性のある」って意味も込められていると思うニャ。
大学ごとのEPの給与基準表(目安)
RGFというリクルート系列のシンガポール人材紹介会社が2020年に公表した大学ごとの指標を見てみると、こんな感じです。
(テーブルをスクリーンショットしてお借りしましたのでご参考までにしてください。)
参考記事>>>シンガポールビザ2020年最新、日本人年齢と出身大学別最低給与額 Asiax
ちなみに、私の場合は現在32歳で第二カテゴリーに位置します。ですので、2020年1月9日からの基準によると最低月給は6700ドル(月給53万6千円くらい)となります。
EP・S Passをとれるかを自分で調べれるツールの紹介
EP以外にもS Passというワークパスがあって、要件はEPより緩かったと思います。
自分がEPかS Passビザをとれそうかどうかは、政府のSelf Assessment Toolというので調べることができます。
>>>Employment / S Pass Self-Assessment Tool (SAT) (mom.gov.sg)
卒業した学校や資格などを打ち込んでいくと最後に結果が出てきます。
現在DPビザで働けることのメリット
2021年3月現在、多くのシンガポール駐妻さんがDPでLOCを手配してもらって働いています。
筆者が考えるDPビザで働けることのメリットは、
- 最低賃金の要件がない
- EP申請のための煩雑な手続きをしなくていい
- 雇用主もSパスやEPの上限枠などを考えずDP保有者を雇える
等があります。
一方で、これまで安い給与で買いたたかれていたDP保有者は適正賃金に引き上げられるいい機会になるっていうポジティブな反応をする人もおおいニャ。
私の場合、夫の会社はそもそもDPビザで妻が働くことを認めていなかったので、EPビザで働いていますが、卒業証明書などの書類を集めるのはそこそこ手間だし、2019年当時は申請してからIPA(最後の手続きをシンガポールでやったらEP取れるよというレター)を受け取るまで2週間ほどかかりました。
一方で、娘のDPは夫の会社が申請して2・3日でIPAをとれていたので、ラク~~と感じました。
これまでシンガポールでDPで働いていた人たちがS PassやEPに切り替えてもらえることはあるか
シンガポールで、これまでDPで働いていた人たちがS PassやEPに切り替えてもらえるかは、会社によるのかなと思います。
S PassやEPに関しては、上限枠の条件があって、会社ごとにどれくらい雇えるか状況が違います。
すでに枠いっぱい雇っている会社に勤めているひとたちは、S Pass・EP枠ポジションのイス取りゲームになるのではないかなと想像しています。
私は専門家でないので何とも言えず、これは勝手な想像なので、詳しくは雇い主さんや人材紹介会社さんに相談されるのが良いのかなと思います。
DPビザで働けなくなる件に関して筆者が思うこと
これまでがむしろ恵まれていた・駐妻なのに働けるって国はなかなか無いという意見はごもっともです。
でもでも、
いやーーーー悲しいですね!!悲しい。
本当に!!
CNAの元記事によると、ワークパス所有者の中で今回の変更に影響がある人は約1%らしいです。
でも、日本人のDP保有者駐妻さんの中にはLOCで働いている方々がたくさん。
・子どももまだ小さいし、家事と育児と仕事のバランスをとりながらパートで働こう
友人・知人の中にはそんな声もよく聞きます。
私自身も、出産前にEPからDPに切り替えることのしたので、今回の件はヒトゴトではありません。
個人的には、外で働くことによって、ローカルに友人のような同僚ができたり、シンガポールの文化をもっとよく知れたり、海外でも自分やってけるじゃんって自信につながったり・・・
働くことは、単にお給料をもらう以上の価値がたくさんあると思っています。
そういった機会が一般的に少なくなるのは、とてもとても残念に思います。
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