2020年シンガポールで過ごしたコロナ時代の幕開けを記録

シンガポール文化
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シンガポールもついにロックダウンというブログを見ますが、シンガポールはロックダウンの措置ではありません。(2020年4月25日時点)

サーキットブレーカーと呼ばれる措置で、自分で好きな時にスーパーへ買い物に行ったり、運動したりすることは許されています。

サーキットブレーカー下のシンガポールでこれまで過ごしてきて、いくつか段階があったように感じます。今回は現在の状況を時系列で書きます。サーキットブレーカーが長引けば、この記事は更新していくつもりです。

ちなみに写真は今日(4月25日)撮ったスーパーの写真。パスタや特定の棚の品薄は続いていますが、その他、マレーシアからの野菜もインスタント麺(近くのスーパーでは一人2パックまでと制限されていました)も肉も魚もトイレットペーパーも油も日用品はほぼ通常通り手に入ります

何度か買い占めパニックが起こりましたが、何か起こるたびに政府が、「きちんと食糧はあるから心配しないように、パニックにならないように」というメッセージを出してくれます。その言葉通り、スーパーの棚にはたくさん商品が並んでいます。土日はまとめ買いの人で込み合うものの、今の状況は状況として安定を取り戻しつつあるのかなと個人的には感じます。

それでは、シンガポール在住中にあったこれまでのコロナ関連の動きです。コロナの動きは広範囲で多岐に及んでいると思いますので、今回はあくまで私が個人的に体験したことと感じたことです。

毎日毎日、状況がかわっていきましたな・・・

  1. 1月23日、コロナウイルスの感染者がシンガポール国内で出たというニュースがでる
  2. オフィスに入るときや保育園の施設に行くときは毎回体温を測られ、シールをもらってからでないと入れなくなる
  3. 3月21日、労働省からはメイドさんも家にいるのを奨められる
  4. 4月3日、リー首相からサーキットブレーカーという措置についてのアナウンス。ロックダウンではないとのことでほっとする
  5. 4月9日、サーキットブレーカーから3日後のリー首相のFacebook投稿
  6. サーキットブレーカーにおける違反した人への措置について
  7. 4月11日、明日からは1回目注意されたら即300ドル(24000円)罰金だよのアナウンス
  8. 4月17日、外に出るときは基本的にマスクをつけることを義務化する
  9. 4月22日、タピオカティーのお店やスイーツのお店はEssential serviceではないとするアナウンスが出る
  10. 4月24日、サーキットブレーカーは6月1日まで延長と首相からアナウンス
  11. 4月25日、政府や大手テレビ局企画でイベント「Home」の歌声がが国中の夜空に
  12. 4月28日、コンドミニアムの中での運動や犬の散歩は禁止になった
  13. 5月5日、コンドミニアムの中での運動や犬の散歩はオッケーになった
  14. 5月12日、ケーキ屋さんなどの宅配サービス、食品製造、美容院、ランドリー、ペット屋さんなどは再開!
  15. さいごに

1月23日、コロナウイルスの感染者がシンガポール国内で出たというニュースがでる

武漢から来た人が感染していたという話がありました。その後グランドハイアットの会議でも何人か感染したというの話が出ていました。ローカルの同僚との話はこの話題で持ちきりです。

数週間が経ち、感染者数は徐々に増えていくもののまだみんな楽観視していました。オフィスには普通に出勤し週末は自粛する人は自粛するけど遊びに出かける人は出かける、自己判断といった感じ。

この辺りで日本の横浜に停泊していたダイヤモンドクルーズ号の話題も多くあがるようになっていました。日本から来た人は若干警戒されていました。「ドンキは一番危険だわ!」という同僚もいました。私はオフィスに一人の日本人だったので日本国内の感染について話すときは若干気を遣われている雰囲気で特に日本人が差別される感じは感じませんでした。(こういうのって民度が高いっていうんですかね。)

オフィスに入るときや保育園の施設に行くときは毎回体温を測られ、シールをもらってからでないと入れなくなる

この辺りで外科に行かなければならない怪我をしてしまいラッフルズジャパニーズクリニックに行きました。ラッフルズホスピタルの中にあります。当時ラッフルズホスピタルは熱のある患者や武漢への渡航歴がある患者は中に入れないようになっていました。病院の入り口では渡航歴などの書類を書かなければならず、通常ではない雰囲気でした。

しばらくして小学校などは週一ホームスクーリングといって自宅学習になりました。職場でははsplit teamといってチームの半分は出勤、半分在宅ワークという政策をとりました。「カモメは子どもがいるしずっと在宅でもいいよ」と言われました。ボスと会って話したいときや偉い人との会議があるときは出勤していました。

3月21日、労働省からはメイドさんも家にいるのを奨められる

https://www.mom.gov.sg/covid-19/updated-advisory-to-fdws-and-employers

3月下旬ごろはメイドは家になるべくいるようにというお達しも政府から出ていました。家から出たら罰金などではないのですが、うちはこういうお達しが出てるから家にいてね、家にいても休みの日だから仕事はしなくていいしご飯は私があなたのも作るよ。買いたかったら買ってきてもいいよと私が説明しました。それでもどうしても行く必要のある用事があるのなら土曜日までに言ってね、雇用主が説明したことをりょうかいするという内容と、用事と出かける時間、帰宅時間を書いてもらってサインをしてもらう書類を用意するからねと主人がメイドさんに指示しました。

4月3日、リー首相からサーキットブレーカーという措置についてのアナウンス。ロックダウンではないとのことでほっとする

4/3にリー首相のアナウンス。4/7からサーキットブレーカーに入るという話がありました。この発表の前は国中がザワザワしていました。

同僚との会議では「今日、首相のアナウンスだね。ロックダウンの噂があるけど、シンガポールもロックダウンになるかな?」

「ロックダウンにはならないんじゃない?」「でも他の国が次々とロックダウンになってるじゃん」「うちはシンガポールよ。他の国とは違う」「首相のアナウンスを待とう」

「スーパーに行っといたほうがいいと思う?」

こんな会話が繰り広げられました。

4/3のアナウンスによるこの時点のサーキットブレーカーの内容は次の通り。

  • non-essential businessは在宅ワークなどできないのならお店を閉めるように
  • ホーカーセンターやフードコートは開いているけどお持ち帰りのみ
  • 極力家にいてください
  • 保育園を含む学校が閉鎖もしくはホームスクールに切り替わる(一部、Essential serviceに従事する親の子どもは受け入れあり)

ちなみにEssential serviceとは、食品、スーパー、病院、公共サービス(ガス・電気・インターネットなど)、交通、銀行などです。

我が家にとっては在宅ワークは問題ないけど保育園で預かってもらえないは痛い!その後シンガポール人には50%の授業料は免除される方針となりましたが外国人は対象外。保育はないのに30分のオンラインレッスンがあるため1400ドル/月を払うはめに・・・。

また、布マスクを一人一枚もらえました。私は主人とメイドさんと娘のIDカードを持って受け取りばで見せました。並ぶこともなくすんなりと受け取ることができました。

4月9日、サーキットブレーカーから3日後のリー首相のFacebook投稿

サーキットブレーカー開始から3日後、リー首相のFacebookを見ると、「昨日ニュージーランドの首相と話した。ニュージーランドではロックダウンの11日目から感染者数が減ってきたという印象だそうだ。我々はまだ3日目で先は長いがみんながきちんとサーキットブレーカーのルールを守ればいい結果が見られると信じている」という投稿をしていました。

その願いに反してその後感染者数は一日数百人単位で増えていきました。主にconstruction workerと呼ばれる外国人労働者の共同生活をする寮のようなところがクラスターとなっていました。それ以外のローカルの人の間でも一日20-30人前後の感染が毎日出ていました。

サーキットブレーカーにおける違反した人への措置について

サーキットブレーカー中はオフィサーたちとアンバサダーと呼ばれるパトロール隊2,600人が街中をうろうろしてソーシャルディスタンスを守っていない人などに注意をしていましたがこの人たちに反発する人も少なくない数いたようです。

初めの段階では、初めは注意だけ、2回目注意は300ドル(24000円)の罰金、3回目注意は法的措置を取られるという対応でした。4/10というサーキットブレーカーが始まって数日しかたっていない段階で10,000件の注意と158件の厳重注意案件があったそうで、このままルールを守らない人が多ければサーキットブレーカーの措置をさらに厳しくするという警告が政府からアナウンスされていました。

4月11日、明日からは1回目注意されたら即300ドル(24000円)罰金だよのアナウンス

この日は一日だけで3000件の注意案件があったそうです。不必要な外出は避けるようにとのメッセージとともに、4/12からは1度目の注意から300ドル(24000円)罰金だというアナウンスがありました。

4月17日、外に出るときは基本的にマスクをつけることを義務化する

ジョギング、サイクリング、早歩きなどの運動をしているときはマスクをつけなくてもいいが、それ以外のときは常にマスクをつけるようにとのお達しが政府からありました。2歳未満は対象ではないももの、すぐ2歳になる娘を抱えるうちはどうしたものかと思いました。

同僚との会議では、「家を出るなり走り始めて家のドアまで走ってればマスクをつけなくていいってことか」なんて冗談を言う会話もありました。

4月22日、タピオカティーのお店やスイーツのお店はEssential serviceではないとするアナウンスが出る

https://www.straitstimes.com/singapore/bubble-tea-cake-shops-closed-from-today-no-walk-in-customers-at-optician-shops

タピオカティー(bubble tea)やデザートのお店はこれまでEssential serviceとして開いていたのですが、4/22からはnon-essential service扱いとなり、お店が閉まることになりました。その後も、スターバックスなどは開いています(もちろんテイクアウトのみ)。

タピオカティー色々飲むぞーと主人が意気込んでいた直後のアナウンス。主人はショックだったようです。でも、タピオカティーの前はいつも行列ができているしEssential serviceかと言われるとそうではない気がするので確かに閉めた方が良いと思います・・・。

4月24日、サーキットブレーカーは6月1日まで延長と首相からアナウンス

4月の下旬、サーキットブレーカーが6/1までに延長されるというアナウンスがリー首相からありました。みんな予期していたもののガーンという心情です。今日はここまでにしておきますが、今後また変化があれば書いてみようと思います。

このあたりから、近くのショッピングモールではエレベーターは閉鎖され、エスカレーターで階を移動するたびに毎回IDカード(シンガポール版マイナンバーカードみたいなもの)を見せなければならなくなりました。エスカレーターの方向がいつもと変わっており、ちょっと買い物いくだけでもぐるぐる回らなければならずとても時間がかかります

4月25日、政府や大手テレビ局企画でイベント「Home」の歌声がが国中の夜空に

上司から、こんなイベントがあるよ!明日はこれに参加してみんなで写真を投稿しよう!とWhatsAppメッセージが来ました。

どんなイベントかというと、夜7:55からテレビの有名人たちが歌うのに合わせてみんなで「Home」という歌をうたうというもの。歌っているときは部屋を暗くしてライトを振ってね、歌っているところをSNSに投稿してね、投稿されたものは編集されて、同じ日の夜10:30からテレビで流すね、というもの。

趣旨としては、Front liners(最前線で頑張ってくれている医療従事者や外国人労働者たちなど)にエールを送ろうというものです。

Sing Together from My Home

時間になって我が家も参加しました。外を見ると、誰だかわからないけれどご近所さんたちが温かなライトを優しく振りかざしていて、曲が終わると町中が自然と「フゥーーーー!!」と大歓声!!家にいながらもみんな気持ちは一緒、つながっている、という感情を呼び起こさせてくれました。

4月28日、コンドミニアムの中での運動や犬の散歩は禁止になった

シンガポールはロックダウンではありません。サーキットブレーカーと呼ばれる措置で、自分で買い物に行ったり運動に行くことは許されています。

これまで、コンドミニアムのプールの周辺(プレイグラウンドもあるし緑も多く散歩道みたいになっている)中でも家族とランニングしたり犬の散歩をさせる姿がたくさん見られていました。しかしコンドミニアムの共有エリアで運動したり犬の散歩をしたりすることは禁止になりました。

5月5日、コンドミニアムの中での運動や犬の散歩はオッケーになった

5月12日、ケーキ屋さんなどの宅配サービス、食品製造、美容院、ランドリー、ペット屋さんなどは再開!

一時期はEssential Businessでないとしてストップされていたケーキ屋さんなども5月12日からの再開が決まりました。ローカルの一週間当たりの感染者がだんだん減ってきたことで、徐々にサーキットブレーカーの措置が緩められてきているようです。

さいごに

行動できる場所や活動できる範囲がじわりじわりと少なくなってきています。政府の措置は、「できるだけ国民にストレスを与えないようにしよう、しかし感染リスクが高いところはきちんと禁止にしよう」という気持ちで決められているように感じます。また、今回の一連の出来事を通して、シンガポール国民の政府に対する信頼の厚さも実感しました。

 

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